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2011/12/22

Appetite Suppressant 03 The Meeting - by Margaret Price


Fried Potatoes com -  Appetite Suppressant  The Meeting
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Chapter Three
The Meeting(密会)




少佐が前代未聞の申し出を与えてから2週間がたった。少佐は伯爵に場所と時間を指示した。ボン郊外の人里離れた場所にある山荘、そして時間。そこで落ち合う。

少佐は私たちが一緒にいるとこを誰にも見られたくないはずだ。エロイカは受話器を下ろしながらそう考えた。どっちにしろ、そのほうがこちらにも都合がいい。場所は完璧だった。彼はそのひっそりとした山荘へ、事前に幾度かこっそりと侵入した。そして注意深く考えた。少佐にはなにか悪巧みがある。だがドリアンはそうさせるつもりはなかった。驚かせてあげるよ、その「密会」の日にね。

「きみは来ないんじゃないかと思ってたよ。」ドリアンは自分の車を降りて周囲を見回し、それから少佐の顔に視線を合わせてからそう言った。少佐は入り口のポーチに置かれた椅子に腰掛けていた。椅子の周りに落ちた煙草の吸殻から、彼がそこでずっと伯爵を待っていたことは明らかだった。

クラウスは相手の様子を頭からつま先まで眺め、返事を必要とはしていない文句をつぶやいてから立ち上がった。「入ったらどうだ。」彼はそうぶっきらぼうに言った。

ああ、期待通りの始まりだ。ドリアンはそう思った。彼は無遠慮に笑った。「さっさと済ませたいみたいだね、少佐?」

少佐は何も答えず、山荘へ入るよう促した。

伯爵は入り口に立ち、まるで初めて来たとでも言うように部屋を見渡した。床は暗い板張りで、家具は革製だった。少佐のくつろぎの場として相応しい場所だった。「すごく居心地いい部屋だね。」彼は少佐の方を向いて言った。「きみの趣味が悪くないとは意外だったよ。」一息おいた。「ここって、誰か別の人の部屋だね。」

少佐の目がきらりと光った。「親父が若いころに使っていた。ガキのころ、よく連れて来てもらったな。」彼はそう短く説明した。

「ああ、そうなのか。そんなところに招待してくれたんだ。嬉しいよ。」ドリアンはそう言って、革張りの大きなソファに腰を下ろした。「・・・今日だけ、名前で呼び合わないか。」

少佐は、目を細めた。瞳には凶悪な気配があった。

「今日は私望むとおりに、なんだろ?」

「そうだ。」警戒心に満ちた答えが返った。「だからと言って・・・」

「今日だけだよ。」伯爵は相手を遮った。「私の名はドリアンだ。伯爵じゃない。エロイカでもない。」少佐は口を開きかけたが、それはすぐに遮られた。「それから、馬鹿者とか変態とかでもないんだよ。」

少佐は口を閉じた。カチリと歯をあわせる音が聞こえた。たっぷり一分ほどもたって、彼は大きく息を吸って答えた。「いいだろう。今日だけだ。」

「じゃあ、そうするよ。」ドリアンは幸せそうに微笑んでソファに体を預けた。「さあクラウス、何か飲み物はないのかな?」

おまえに飲ませたいのは毒薬のほうだ、この変態野郎。クラウスは胸の中でそう悪態をつきながら、酒棚に向かった。「何を飲むんだ?」

「おや、きみがお客をもてなす気になるなんてね。」ドリアンは皮肉った。

おまえの幸運をさっさと使い果たすなよ、エロイカ。クラウスは凶悪な視線を伯爵の方向に向けた。「あたりまえのことをしとるだけだ。」そう念を押した。

「まったくね。」

伯爵は立ち上がって、酒棚のある場所までやってきた。豪勢な品揃えだった。ずいぶん忙しく準備してたみたいだね、と彼は思った。彼がついこの間忍び込んだとき、酒棚はほとんど空っぽだったはずだった。「ジントニックを。」彼はとうとうそう告げた。「まだこんな時間だ。あまりきついものはやめておくよ。」

クラウスは文句言いたげな顔つきのまま飲み物を用意し、伯爵に手渡した。

「きみは?」ドリアンは穏やかに尋ねた。

「頭をはっきりさせておきたいからな。」クラウスは用心深く答えた。

「いい考えだね。」ドリアンは部屋を見回すふりをした。それから少佐に目を留めて微笑んだ。「落ち着いてくれ。こんな居間の真ん中できみの服を引っぺがして襲っちゃおうなんて考えてないからさ。」 私には別の計画があるのさ。

クラウスはうんざりした顔で相手を見た。だが、正直なところこの場の雰囲気にいたたまれなくなっていることを自分で認めねばならなかった。この状況に誘い込んだのはほかならぬ自分の方だったにもかかわらず。「来い、家を見せてやる。」彼はいきなりそう口に出した。この部屋の緊張した空気から逃げ出したかった。

「素晴らしいね。」ドリアンはジントニックで喉を湿らせた。彼は、しぶしぶ招待者側を演じているこの家の主人に従って、こじんまりした山荘の階段を登った。ロフトに寝室があった。というより、二階にあるのは寝室とバスルームだけだった。

「あのね、クラウス。私だってセックスのことばかり考えているわけじゃないんだよ。」ドリアンは穏やかに言ってみた。この皮肉が伝わればいいなと思いながら。

今立っている場所の意味に気付き、クラウスは真っ赤になった。「おれにはそうは思えんがな。」彼は平静を装って言った。

「そうだね。」ドリアンはため息をつき、グラスを置いた。「でも実際最近ね、なんだか、そういうことはみんな・・・そう、つまらなく思えてきたんだ。」

クラウスの心臓は飛び上がった。彼は無表情を保つのに苦労した。「本当か?」

「うん。」ドリアンは寝室に中を無意味に歩き回り、ちらっと窓の外に目をやった。「そう、興味がなくなったんだ。」彼はさっと視線を走らせて、相手が自分に注目していることを確認した。それから彼は体を翻して、ベッドの柵に手をかけた。それは細い螺旋デザインの柱だった。

「笑わずに聞いてくれてありがとう。」彼は決まり悪げな表情をはっきり浮かべながら、視線を落とした。「エロイカがセックスに興味がないなんて言ったら、みんな可笑しくて笑っちゃうよね。」

ここに至って、クラウスはにやにや笑いだしてしまうのを堪えるのにかなりの努力を必要とした。「何言っとるんだ、おまえ?」彼は口調に非難の調子をこめた。「ここまできてなんだ?だれか別に相手でも出来たのか?」

「ああ、少佐。きみが傷ついたとか、そういうことはないよね?」ドリアンは相手に近づきながらそう尋ねた。

「傷ついただと?おれが?」その問いに度肝を抜かれた。気でも狂ったか!おれは嬉しくて有頂天だ!

ドリアンは相手の前に立ち、目を覗き込んだ。「ひょっとすると『傷ついた』ってのは正しい言い方じゃないかもね。」彼はいきなり口調を強めた。「『やれやれ、ほっとしたぜ』、ってとこかい?」

「グローリア卿・・・」クラウスの言葉は側頭部を襲ったなにか重い物の衝撃に遮られた。

「ドリアンだよ!私の名前はドリアンだって言っただろ!このくそったれの、最低最悪の、卑怯なろくでなしが!」ドリアンは茫然とする少佐のみぞおちにひどい蹴りを喰らわせた。「さあ、痛い目に合わされるのはどんな気分だい?」彼は怒鳴りつけた。

「このくそったれが・・・」クラウスはうめき、膝を付いて立ち上がろうとした。「殺してやる・・・」 それ以上は何もいえなかった。顔を蹴り上げられ、そのまま後ろに倒れこんだからだった。記憶が途切れる前に最後に耳と目にしたものは、エロイカお得意の睡眠ガスを顔一杯に吹き付けられたことと、やつの最後のセリフだった。

「さあ、少佐。夜は始まったばかりだよ。」






続く・・・

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