僕 と同じ金色の髪の男が、僕の想い人に組み敷かれていた。金の巻き毛がふわふわと邪魔をして、男の表情が見えなかった。けれど、口もとが笑っていた。僕の想 い人は笑ってなんかいなかった。怒り狂っていた。怒り狂って、光り輝く金髪の男を責めていた。あんな見事な巻き毛と比べられたらかなわない。そう思って僕 は伸ばしかけていた自分の淡い金髪を短くしたのに。金の髪の男はベッドに縛り付けられていた。 縛りつけられてなお、勝ち誇って笑っていた。
僕の想い人の前であんなふうに笑っていられる人を、僕はほかに知らない。
僕 の想い人は、金髪の男の頬を手のひらで打ち、また手の甲を返して打った。ひとつ、ふたつ。またひとつ。両腕を縛られて逃げようが無く、金髪は打たれるまま だった。きれいな形の唇が赤く染まり、やがてたらりと鮮血が染み出るのが見えた。金髪は薄笑いを浮かべたまま、何かを言った。僕の想い人はさらに激昂した ようだった。僕はどんな尋問の時でも、僕のあの人があんなに取り乱しているのを見たことがない。あの人をあんなにさせてしまうことってなんだろう?
そんなことがあるはずがない。だからきっとこれは夢だ。
そ れから僕の黒髪のあの人は、傍らの灰皿から煙草を取り上げて、金髪の男へ向けた。金髪はそれでも笑っているようだった。僕の想い人は、緑色の目をさらに深 い緑にして、鋭く何事かを問うた。金髪は頭を振り、きれいな、透明な、絶望的に魅力的な声で、笑った。その透明な笑い声は、火のついた煙草をねじりこむよ うに鎖骨に押し付けられても止まなかった。押し付けている僕の想い人のほうが、痛みに引きゆがんだ顔をしているのに。
そんなはずはない。これは夢なのだから。僕のあの人がどこへ行って誰と会っていたかなんて、僕にわかるはずがない。少佐、少佐、どこへ行っていたのですか?誰と会っていたのですか? 伯爵と、会っていたのですか?
夢の中の少佐が伯爵の胸に煙草を押し付けた。その妬け付く痛みを自分にも感じて目を覚ますと、僕は自分が吐精していたことを知った。そのとき突然、夢の中で耳いっぱいにずっと鳴り響いていた曲がこれだと気がついた。Where've you been? Who've you seen? 胸がもう一度、搾られるように痛んだ。
The streets in search of anyone who'll take them home
I lie alone, the clock strikes three
And anyone who wanted to could contact me
At dead of night, 'til break of day
Endless thoughts and questions keep me awake
It's much too late
Where've you been?
Who've you seen?
You didn't phone when you said you would!
Do you lie?
Do you try
To keep in touch? You know you could
I've tried to see your point of view
But could not hear or see
For jealousy
I never knew time passed so slow
I wish I'd never met you, or that I could bear to let you go
At dead of night, 'til break of day
Endless thoughts and questions keep me awake
It's much too late
Where've you been?
Who've you seen?
You didn't phone when you said you would!
Do you lie?
Do you try
To keep in touch? You know you could
I've tried to see your point of view
But could not hear or see
For jealousy
Where've you been?
Who've you seen?
You didn't phone when you said you would!
Do you lie?
Do you try
To keep in touch? You know you could
I've tried to see your point of view
初めまして、BasilLeavesさん。
返信削除まさかここでPSBのJealousyを見るとは夢にも思わず…衝撃のあまり書き込んでしまいましたw
PSBのWhat is left of Love?も素晴らしく切ない曲です。が、ここのフィクには使えませんね(もちろんIt's a Sinもですが。歌詞的に)。
ところで、BasilLeavesさんはPSBのセクシュアリティをご存じなんでしょうか??(素朴な疑問)
訂正。What is left of Love?ではなくThe way it used to beでした。ちなみにPSB=PETSHOPBOYSです(って、蛇足ですが)。
返信削除ご訪問ありがとうございます!
返信削除PSBは名曲だらけですよね~って、実は80年代からのファンなのです私。
ふたりともおじいちゃんになったよね…
PSBに関連する記事については、こちらなどもご覧くださいませ。
目立ちたがりの泥棒のテーマ
http://khvde.blogspot.hk/2011/07/blog-post_24.html
勝手に少佐テーマソングに認定
http://khvde.blogspot.hk/2011/07/blog-post_17.html
返信有難うございます。
返信削除私は彼らがデビューした頃からのファンです。
ちなみに、その時私は中二。
年齢分かっちゃいますね^^;
二人とも歳取ったけど、ニールの歌声はあまり変わらないのが嬉しい^^ひねくれた歌詞も健在。精神も健在w
一回彼らのコンサートに行くのが夢であります(最近韓国か台湾?まで来てたんですよね…知らなくて逃してしまった。惜しかった)。マドンナのライヴには行けましたが。
確かに伯爵は「flamboyant」ですね^^
同世代( ・∀・)人(・∀・ )ナカーマ www
返信削除ニールの透明な声、英国風ひねくれ歌詞、それでいてノリノリ、最高でーす。
動くナマモノを見たいという気は…どうかな、この二人に関してはあんまりないかな。
でもずっと新作は出し続けてほしい。
エロイカの新作もいつまでも読みたいです。
ホントにナカーマですねw
返信削除うんうん、ニールの声、ひねくれて結構暗い歌詞、ノリのいい曲、大好きです^^
彼らにはいつまでもひねくれていてほしいですね(って、どーゆーコメント。でもそう思います)。
ライヴDVDが意外に見ごたえあるしニールの声も生で聞いてみたいので…コンサートに行きたいです。
もちろんエロイカもずっと読みたい!
ちょっと気になってるんですが、「皇帝円舞曲」のラストで少佐は伯爵と踊ったんでしょうか…?(永遠の謎でいい気もするけど)
あと、「皇帝円舞曲」の最初の扉絵の伯爵は、実はエリザベート皇后と同じドレス、同じポーズです(エリザベートの写真には愛犬も写っていますが)。
私はホントのことを言うと伯爵の女装が好きではないので、個人的には「踊ってない」に一票入れたいところですが、一般的には「永遠の謎」が主流なのでしょう。でも二次の世界では「踊った」説も有力のようですね。そういうフィクもあり。
返信削除それにしてもこのころの青◯せんせーのペン先からは、ふたりをくっつけたくてくっつけたくて仕方がない愛情がキラキラと滴っているように感じますね!(←邪推にもほどがある)